ペニスをぶらさげたままとまどっている
下半身も脱ぐときがあって
手コキも上下スライドをさせるだけではなく
今の時分は寒くて街頭には立たないのだろうか。ぼんやりと猫を追いかけて歩いているとスナックが密集している地区に家を構える白いニット帽のお爺さんに声をかけられた。松山の爺さんはどいつもこいつも馴訓れ馴れしい。ホールの前!と突然見知らぬ爺さんに叫ばれても意味がわからないよ。ホールの前ですか?と僕が返すと
「気をつけてな!性病とかウヨウヨだ」え、なんのことですか方言だからかどうかは分からないけれど、何を言っているのか僕にはさっぱりわからない。性病じゃ。
気をつけてな!どうもですいきなり初対面で性病の話で常軌を逸している。そのまま僕は振り返り振り返りしながら立ち去った。白いニット帽の爺さんはずっとこちらを見ている。なんとなある、く気になってしまった。というのは性病あるところにセックス屋あり、だからだ。爺さんの言葉を気にとめながらアーケード街に戻る。銀天街を抜けて、高島屋の西にある松山市駅から伊予鉄道郡中線に乗り、わずか一駅のところ土橋駅で降りる。人気のない北口というより改札口はそこしかないで降りて南西から北東へ斜めに走る道路を北東に進み、すぐある土橋町の交差点を右折して南下する。そうすると今乗ってきた伊予鉄道の踏切を越えるだろう。街灯というものがないので暗い道が続く。左手には病院だか関西棋院だかがそして右手にはスナック風建物の廃城群が見える。
見えて、そして薄暗いなかに司などの看板が見えるだろう。暗い、というか街灯もないそんな通りが2本、通りから西に出ている。そこが土橋駅の南側裏のアンダーグラウンドなスポットとなる。灯りが点いて中に人がいる店は2軒しかなかった。そのうちの1軒、赤黒い照明がドアのガラスから漏れる店の前を通ったとき、遣り手婆から声をかけられた。
遊んでかない?僕はとぼけて遊ぶって?と近寄る。というか、こんな薄暗い何もない小道に入っといて遊ぶって?もへったくれもない。
すると赤黒い照明のなかで行む妖怪じみた級くちや婆はここは女の子と遊ぶとこよと宣う。そうでしょう、そうでしょうとも。ふと気づくと婆の後ろでもう一人の婆がごそごそと醜いくらい太った体を動かしている。まさかと思い訊いてみる。女の子ってどんな娘いるの?すると婆は奥を見る。さっきまでごそごそ動いていた太った金髪の婆がこちらをチラと見るため顔をあげる、しかも満面の笑みで。婆と呼称したのはこちらの失礼だった正しくはおばちゃんだった。僕は…
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